北三陸・洋野町小子内浜のウニ [岩手の食材]
23日(火)に、アリーブ盛岡店の三国シェフと、フレスキッシマの岡元シェフの3人で、北三陸の洋野町(旧種市町)の小子内浜漁協にお邪魔して、ウニの栽培を見学してきました。
ウニの栽培(?)と思うかもしれませんが、私も行ってみるまでは疑問だったのですが、実際に見てみると、その方法はまさに栽培、そして、そのスケールの大きさや、すでに20年以上の実績があることなども判り、大変驚きました。
洋野町周辺の海岸は、遠浅の岩盤が広がっている三陸では珍しい海岸です。南三陸のほうは湾が入り組んでいるところが多く、牡蠣やホタテの養殖が盛んなのですが、この地域では養殖棚を作ってもすぐに波に壊されてしまうため出来ません。そこで、遠浅の岩盤に切れ込みを入れて、干潮になっても海水が残るようにして、そこでウニを育てているのです。
本来、天候が悪いと漁にでることができず、ウニも出荷することができないのですが、このように栽培すれば、多少天候が悪くても安定的に出荷できるんだそうです。ただ、稚ウニをこの場所に放したのでは生育が良くないということで、一度200~300m先の沖合いに放し、出荷可能な大きさに近づいたらこの場所に移すという手間をかけています。
案内をしていただいた小子内浜漁協の小子内さん。
もう、見渡す限りウニ、ウニ、ウニです!小子内地区ではキタムラサキウニとバフンウニを育てています。一般的に三陸はキタムラサキウニが多いです。北海道はバフンウニが多いですね。バフンウニのほうがオレンジ色が濃く、身も引き締まっています。キタムラサキは身が白っぽくて柔らかく、甘みが強いのが特徴です。
出荷されるのは生育3~4年物です。手間もかかるんですよね。
何個か割っていただいて身の入り方を確認。
ん~、ぎっしり詰まっていますね。一番美味しいのが7月~8月のお盆前ということで、これからが最高の時期ということですね。
ウニは主に海藻を食べて育ちます。この地域はワカメの出荷も多いんです。ご覧のように餌のワカメもぎっしりです!
この辺のウミネコはグルメです。ウニを食べているウミネコ。
小子内漁協を訪れた後、近くに稚ウニの栽培施設があるというので見学に伺いました。
岩手県栽培漁業協会の種市事業所です。ここでは三陸の稚ウニの栽培を一手に行なっています。
この水槽の中に、受精させてふ化させた稚ウニを入れて育てます。
波状の板にびっしりと稚ウニがいます。ここで約1年育て、2cm位の大きさになったウニを海に放流するんです。実際の海ではこの大きさになるまでの確率がすごく低いということで、この大きさになるまで人間が管理して育てます。
その後は海に放流しても、1年間で9割近くが生き残るそうです。
こんなに小さくても食欲は旺盛です。ワカメもこんな姿に...。
小子内のウニは、ラ・ベットラの落合さんの所でも使われていたそうで、北三陸でも一番美味しいウニが捕れると有名なんだとか。
※ 昼食に久慈市の「ビストロくんのこ」に行きましたが、そこでも小子内ウニが使われていました!
現在お取引について調整中ですが、是非皆さんに食べていただきたい食材の一つです!お店のメニューに載ったときには必ず召し上がってみて下さい!
おまけ・・・小子内さんが「生も美味しいですけど、焼きウニも美味しいですよ!」ということで、その場でウニを焼いてくださいました!
甘みが増して、最高に美味しいです!
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