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地域在来種と種の多様性 [Eiju Furudate]

岩泉町でスローフード岩手が主催した「地域在来種と種の多様性」の勉強会に参加して来ました。

まずは岩泉町大牛内地区で、酪農の傍ら地域在来種の伝承に取り組んでいる、八重樫貴治さんの畑を見学に行きました。

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三陸海岸沿いの丘陵地に牧草地が広がっています。本来なら牛の姿もあるのでしょうが、口蹄疫の問題で今は人には近づけないようにしています。

酪農で生計を立てている為、野菜や穀物はあくまで自家採種して、オリジナルの種を残すことが目的です。

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左から、料理研究家の黒川陽子さん、日本大学の農学博士・川手督也さん、八重樫貴冶さん。

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これは大豆です。気をつけないと芽が出てきたときに鳥に食べられてしまうそうです。

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奥が菜花、手前の白い花は大根。

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同じ大根でも、これは花の色と同じ赤い大根となる、安家地大根。

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ニンニクは3種類の異なるものを町内から見つけて植えています。

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これは大麦。隣りには六条大麦も栽培していました。

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当然無農薬ですから、キャベツはご覧のように虫さんの食べた後が。。。

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これは珍しいネギです。初めて見ました。

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その他人参、水菜、茄子などの野菜の他、ヒエなどの雑穀もすべて自家採種で育てています。凄い!

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これ、何だか判りますか?

熊の足跡だそうです。畑の渕がちょうど熊の通り道になっているとか。。。熊と共生しているんですね。

八重樫さん、自家採種だけでも凄いと思っていましたら、それだけではありません。

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昔の農具も使い、さらに自分で農具作りまで行なっています。

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参加者も手際良く作業しています。参加者の皆さんもツワモノ揃いですね!

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次はヒエを叩いて実を取ります。

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この道具、先日あるところで売っているのを見かけたんですが、こんな風に使うんですね。知らなかった。。。

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これは更に大きいもの。

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大きく振り回してテンポ良く叩いていきます。昔は4~5人で囲み、歌を歌いながら作業をしていたとか。

まだ30代にしてこの知識と行動力、参りました。

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その後、場所を移し、高キビの餅作りを教わり、美味しいアンコ餅(へっちょこだんご)を頂きました。

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その後、黒川さんからスローフードを通じて取り組んでいる事例報告と、川手さんから種の多様性の需要さを講義いただきました。

特に印象的だったのは、ここ100年で世界的に、作物種や家畜種の遺伝的画一化が進んでいて、ヨーロッパでは75%の種が滅び、アメリカでは93%の種が滅んだということ。この遺伝的画一化は、病害虫が蔓延した際には、一気に絶滅してしまう危険性を持っているということです。

現在の農家のほとんどの方は、種を業者から購入しています。この種の大半が国外で作られたものです。まず重要なのは、この種を自家採種するということです。確かに手間はかかりますが、自家採種することによって、作物はその土地の気候、風土にあった最適な遺伝子を残そうとします。結果的に、害虫やウィルス、気象変動に強い作物が出来てくるのです。

同じ、大根やカブや人参を育てても、その土地土地で異なった野菜に育っていきます。それが地域の個性になるのではないでしょうか。日本全国同じ品種を育てて、同じ物流にのせて販売するという時代はもう終わりに近づいているような気がします。日本各地で個性的な野菜がどんどん誕生することを祈るばかりです。

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